チーズ(種類によっては乳酸菌飲料)を製造するときに、スターターと呼ばれるものがあります。
このスターターとは、種菌(たねきん)のことです。
自然に付着している菌のみではおいしいチーズをつくることができません。
また、反応が上手に進まないことも多くあります。
より良いチーズを製造するために、人工的に加える乳酸菌がスターターです。
スターターにも2種類あります。
1つは、乳酸菌スターターです。。
これは、主に乳酸発酵を促進させるために用いられます。
乳酸菌スターターを使うことで「乳頭から乳酸を生成して凝固させ、脂肪分やたんぱく質を分解する」という工程を効率よく行えます。
2つめは、カビスターターです。。
カビを増殖させることで、チーズに独特な風味をつけます。
白カビを用いるカマンベールチーズやアオカビを用いるゴルゴンゾーラチーズなどがあります。
乳酸菌スターターの具体的な役割には以下のようなものがあります。
1、糖の発酵
・乳酸の生成による風味を出す
・外来菌の抑制
2、たんぱく質の分解
・アミノ酸やペプチドの生成
・チーズを熟成させる
3、フレーバー(食品を口に入れたときに生じる感覚すべてをまとめたもの。。)産生
・アセトインやジアセチルなどのクエン酸生成
・有機酸やアセトアルデヒドの生成
4、テクスチャーの付与
・たんぱく質の固化
5、抗菌物質の産生
・乳酸によるpHの低下
・過酸化水素やジアセチル、バクテリオシンの産生
上記からもわかるように、乳酸菌スターターとはチーズ製造には欠かせない重要な種菌なのです。